広島で開催された第15回国際カイアシ類学会に獣医学科1年の高橋さんが環境科学科環境生物学研究室4年生の学生と参加し、日頃の研究成果をポスター発表しました。 髙橋さんは参加している研究プロジェクト「新種を探そう!魚の寄生虫研究」の中で海産魚類にみられる寄生虫の多様性調査に取り組んでいますが、今回は主に東京湾のマゴチのエラに寄生するカイアシ類の種同定結果と出現状況について報告しました。
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※環境科学科特設サイトから引用
参加する前はどんな気持ちだった?
国際学会への参加という貴重な機会にワクワクする一方で、開催日が近づきポスターが完成するにつれて不安感も増していきました。日々の授業や課題もこなす必要があったので、学会準備のみに時間を割けない状況ではありましたが、先生をはじめ研究室の皆様にサポート頂くことができました。共に学会に向けて準備した時間は大変であり、同時に楽しく充実した時間でもありました。
学会参加中に印象に残ったことは?
会場でのやりとりは当然ながら英語だったので、初日は海外の方に話しかけるのが難しく、勇気が必要でした。しかし、次第に会場の雰囲気に慣れていき、会期中に企画されたMid-Conference Tourに参加した際には、積極的に会話することができたように思います。研究者の方々と食事をご一緒させて頂き、観光を含めて充実した1日となりました。
参加して得られたことは?
様々な観点からカイアシ類を研究している各分野のプロフェッショナルがいるのだと実感しました。ポスターや口頭発表、シンポジウムなどが全て英語であったため、理解しきれなかったことが悔しい点ですが、学部1年生として学会に参加できた経験は今後の学生生活を送る中での指針になると感じています。ポスター作成を通じて、集めたデータをどう活用するのか、あるいはどれだけ正確なデータが必要なのかをリアルに感じられたことも収穫だと思います。
次の目標を教えてください
参加プロジェクトのメインタイトルでもある『新種を探そう』 にむけてもっと前進したいです。今まで集めたサンプルの種同定やスケッチなど形態的に種を同定できるようになりたいと考えています。
カイアシ類とはエビやカニなどを含む甲殻類の仲間で、世界で1万5千種近くが知られています1)。多くは水中の浮遊生物(プランクトン)として暮らしていますが、水のあるところであれば地面の湿った落ち葉の下に至るまでどこにでも生息しています。海洋生態系においては優占的な動物プランクトンであるため、食物網を支える重要な餌生物としての役割を担っています。
そのほかにも淡水域では蚊の幼虫(ボウフラ)を食べるため、蚊が媒介する感染症(マラリアやデング熱など)を制御するための候補として検討されています。さまざまなヒト寄生性あるいは動物寄生性の寄生虫を保有する中間宿主としても知られており、ワン・ヘルスと関わりの深い分類群の一つです。
1) Walter TC, Boxshall G (2024) World of Copepods Database. Accessed at https://www.marinespecies.org/copepoda on 2024-06-18. doi:10.14284/356
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