2025年5月12日

私立北豊島高等学校の「探究授業」 講演会を実施しました

このたび、麻布大学との高大接続校である私立北豊島高等学校において、令和7年度最初の「探究授業」として、本学副学長の菊水教授による「イヌと生きる、その魅力と効果」と題した講演会を実施しました。

この講演では、イヌが人類とどのように共に歩んできたかを科学的な視点から解説いただき、「動物と人との関わりや、生命・共生の意義」について、深く考える機会となりました。

また、後半では「問いを立てる力」や「研究の進め方」にも触れ、研究の面白さや社会とのつながりを実感する内容でした。

生徒たちは、講演に真剣に耳を傾け、講演後の質疑応答でも多くの生徒さんから質問が寄せられ、関心の高さがうかがえました。

今後の探究活動や進路選択において大いに刺激となる講演となりました。

  • 日時:2025年5月7日(水)13:00〜14:30
  • 講師:菊水健史 先生 (本学副学長)
  • 演題:イヌと生きる、その魅力と効果
  • 対象:高校1〜3年生 約200名
講演中、生徒に語りかける菊水副学長の様子

後日、講演会を聴講した生徒さんからたくさんの感想をお寄せいただきましたので、一部抜粋してご紹介します。

最初はめずらしい研究をしているんだなくらいに思っていましたが、実際に講演をきいてみると自分に身近な話が多くて共感する部分がたくさんあり研究というものへの見る目が変わったと思います。自分では研究にしようとは思わないようなテーマだったのでお話を聞くことができてよかったです。

犬を散歩しているひとを街中でよく見かけますが、それは人類が古くから動物との絆を大切に積み上げてきたからであって途絶えさせないためにも私たちは歴史を理解することが大切だと思いました。

探求についての講演中であった「くさりでつながれたゾウ」という絵本のお話を聞いて、私は過去の経験や自分の主観による偏見や考えだけを信じるのではなく、周りの状況や他の人の意見を大切にし、その場に対応して変化していくことが大事なことがわかりました。なのでこれからの探求や生活で自分があたり前だと思っていることに疑問を持った時はまず頭で考えるのではなく行動してみようと思います。

大学ではもっと難しい内容のことを勉強するかと思っていましたが、我々に身近な犬を研究できるのは、犬好きにはうれしいことだしみんなに夢や希望を持たせてくれるいい機会でした。ありがとうございました。

講演で犬が視線を使って人間に訴えるという話がありましたが、言葉が通じなくてもコミュニケーションがとれるというのが長い時間を共に過ごしてきたからこそ身に付いたものだと思い、感動しました。
また、「問いを深める」ということについて学ばせていただきました。これから問題解決をすることがたくさんあると思います。なので小さな疑問から「なぜ?」を繰り返して深い問いへと繋げていきたいです。

探求はスケールの大きい環境問題や社会情勢などに関することについてではないといけないと思っていました。しかし、探求の例として挙げられた「アンパンマンは正義のヒーローなのか」という課題について考えることで、本当に身近な疑問についてでもよいのだということに気が付きました。日常の「なぜ?」を深めることが探求なのだと分かりました。

今までペットを飼っている人に対して、落ち着きや余裕を感じていたので、今回の講演はまるで答え合わせのようでした。私はあまりポジティブではなかったり多幸感や充足感がありません。“何かをしなければ認められない・褒めてもらえない”あてのない、焦りのようなものがあります。しかし恐らく犬は誰彼構わず甘えたり遊んだりしてくれる個体が多いです。犬を飼っている多くの人は健康的で精神面での揺らぎを感じることが少ないのは、犬から1人の人として対等に向き合ってもらい認められたことの経験から自信がついたと想像します。