研究プロジェクト2021

GO! DO!! ZOO!!! Project 2021

加瀨ちひろ(応用動物行動学)、豊⽥英⼈(※)、植⽵勝治(応用動物管理学)
(※)埼⽟県こども動物⾃然公園・共同研究員

研究の背景

動物園の役割の一つに「種の保存」があります。アマミトゲネズミ(T. osimensis)は奄美大島にのみ生息する日本固有種であり、国の天然記念物指定種かつ絶滅危惧種です。

現在、環境省と日本動物園水族館協会(JAZA)が協力し、アマミトゲネズミの保全を目的とした飼育下繁殖に取り組んでいます。これまでに参画している複数の動物園で何度か繁殖に成功していますが、繁殖が思うように進まないケースもあり、繁殖成功のポイントを探ることが必要です。

そこで本プロジェクトでは基礎的知見の蓄積を目的に、埼玉県こども動物自然公園で飼育しているアマミトゲネズミを対象として、飼育下での行動特性を明らかにします。

アプローチ

このプロジェクトでは主に、ビデオカメラで撮影した飼育舎内のアマミトゲネズミの行動を観察することで、行動学的に動物の状態を評価します。実際には、約1×1.5×⾼さ2mの飼育部屋が5つあり、それぞれにビデオカメラが設置されています。5部屋×24時間分のデータを毎月10日分解析することで、活動リズムや季節的行動変化などを明らかにします。

また、バックヤードの視察や飼育担当者の方とのディスカッションを通じて、解析結果の解釈や今後の課題を整理します。

期待される結果

  • アマミトゲネズミの行動特性をデータとして整理することで、適切な管理に応用できる
  • 繁殖成功のポイントを明らかにできれば、各動物園での繁殖成功につながり、希少種保全に貢献できる
  • 動物園が持つ役割について実践を通じて学ぶことができる
  • 基本的な行動解析技術が身につく
  • 基礎的なデータ解析力、作図やスライドで結果をアウトプットする力が身ににつく
  • ディスカッション力、基本的なデータ解釈力が身につく

現状とこれから

2019年12⽉からアマミトゲネズミの行動解析を⾏ってきましたが、途中データ解析ができなかった月もあり、2021年7月までのデータでやっと1年分の解析ができることになります。現時点ではアマミトゲネズミの行動は日没前後にピークがある夜行性型で、⾏動は日照時間に影響を受けているようです。また、交尾は日没後に集中することや、幼獣は徐々に成獣と同じ活動リズムになることも明らかになってきました。今後も引き続き⾏動特性を解析し、繁殖成功のポイントを探ります。

募集について

募集人数:2名
求める学生像: 動物の行動と管理に関心があり、根気強く観察に取り組める学生

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