研究プロジェクト2022

生きものの季節変化に気象環境はどれくらい影響する?

髙⽥久美⼦(気候変動学)、新⽥梢(植物⽣態学)、村⼭史世(地域環境政策)

研究の背景

サクラの開花といった⽣きものの季節変化(⽣物季節)は、⽣物多様性や気候変動の重要な指標になります。近年、地球温暖化によって⽣物季節のタイミングが影響を受けることがわかってきました。

しかし、⽣物季節のタイミングには気候変動による変化に加えて、個体によるばらつきや局所的な環境によるばらつきがあります。これらと気候変動による変化を⾒分けるには、詳細な調査が必要です。

アプローチ

キャンパス内で、イチョウの⻩葉、落葉、発芽を⽊ごとに観測します。合わせて、気温や⽇当たりなどの気象環境を⾃動計測し、イチョウの⻩葉、落葉、発芽のタイミングとの関係を解析します。

⽣物季節の観測は、各地での観測結果を⽐較検討できるようにするため、判定基準が決められています。「発芽」は芽の総数の約20%が発芽した時、「落葉」は葉の約80%が落葉した時、とされています。しかし、⾼⽊のイチョウは樹⽊全体を観察するのが容易ではありません。そこで、ドローンでの撮影による観測の可能性についても検討します。

期待される結果

キャンパスのイチョウ並⽊の⻩葉、落葉、発芽のタイミングと、⾃動計測した気温や⽇当たりとの関係について観測データを解析し、局所的な気象環境による⽣物季節のタイミングの違いを明らかにします。また、ドローンでの撮影によって⽣物季節を観測する試みは、⽣物季節の新しい観測⼿法を探索し、画像診断の適⽤可能性も探ります。

現状とこれから

これまでの⽣物季節観測では標準⽊を決めて、その個体の⽣物季節のタイミングを毎年観測してきました。このプロジェクトでは、多数の個体の⽣物季節を観測することによって、⽣物季節のタイミングがばらつく要因を明らかにし、気候変動の⽣物季節への影響をより精度よく評価することを⽬指します。イチョウでの調査をほかの⽣物季節にも拡げていくことができます。

ドローンを⽤いた⽣物季節観測は初めての試みで、画像診断による⽣物季節観測が可能になれば⾃動計測に発展させることも考えられます。環境モニタリングのデータの収集・解析・共有の過程を通して、デジタルを環境分野で活⽤できる⼈材を育成します。

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