山本誉士 (野生動物)、塚田英晴 (野生動物)、片平浩孝 (環境生物)、新田梢 (フィールド科学)、井上健 (寄生虫)
生物多様性とは生き物達の豊かな個性と繋がりのことである. ネイチャーポジティブ(生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せること)を達成するには特定の生物種の保全のみならず、生物種間がどのように関連しあい生態系が成り立っているのかをより広い視野で理解する必要がある.
伊豆諸島の利島にはオオミズナギドリという海鳥の集団営巣地がある. 彼らの栄養塩を含む糞尿は陸域で排出され、陸上生態系の基盤となっていることが予想される. だが、近年繁殖地でネコが目撃されており、オオミズナギドリへの影響が懸念されている. 一方、ネコはネズミやイタチの抑制に効いているかもしれない.
そこで、本研究では利島を舞台に生物種間の繋がりを定量的に明らかにし、生物多様性保全において生態系を包括的に捉える重要性を示す.
現地の人々との交流があるため、挨拶や御礼がきちんと言えるなど、節度ある行動ができることが望ましい. また、利島まではフェリーで移動するため、船酔いをする可能性があります.