動物に生息する微生物から新しい薬を作りませんか?

紙透伸治(化学)、加瀬ちひろ(動物行動管理学)、相原尚之(病理学)、片平浩孝(環境生物学)、風間啓(産業動物内科学)

研究プロジェクトの概要

微生物や植物がつくる天然の化合物(天然物)は、古くから薬として利用されています。現在、薬の約1/3がこの天然物をもとにつくられています。例えば、微生物のアオカビが抗生物質であるペニシリンを作ります。ペニシリンの発見から100年近くたった今も、微生物がつくる化合物から薬を開発する研究がされています。

微生物は、ヒトや動物にとって病気を起こす「悪いもの」として考えられていました。一方、最近、ヒトや動物に生息する微生物は病気から体を守っており、私たちや動物にとって有益に機能していることがわかってきました。動物や私たちの体には多数かつ多様な微生物が共生しており、健康の維持に貢献しています。この健康維持に関与している微生物の中に、私たちの病気を治してくれる微生物が存在することが最近わかってきました。その証拠の一つにヒトの鼻に生息する微生物には、既存の薬が全く効かない病気に対して効果がある化合物をつくっている微生物がいることがわかりました。

これまでに私たちの研究グループでは、麻布大学で世界で初めて見つかった化合物を報告しています。これまで多種多様な動物から有用な化合物をつくる微生物を探すことは、行われていません。このプロジェクトでは、様々な動物に生息する有用な微生物の探索~微生物が作る有用な化合物を見つけ出すことまでを行います。

求める学生像

化学から生物まで幅広い分野に興味があり、失敗しても根気よく物事に取り組める人、実験が好きな人。

研究詳細PDF
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