研究プロジェクト2021

都市ダヌキから探るワンヘルス

塚田英晴(野生動物学)、平健介(寄生虫学)、加瀬ちひろ(動物行動学)、片平浩孝(環境生物学)

研究の背景

21世紀は都市の時代とも⾔われています。国連によると、2007年には世界の⼈⼝の半数以上が都市に暮らし、2050年には7割以上の⼈⼝が都市に暮らすようになるそうです。都市は⼈間が優占する環境ですが、意外に多様な野⽣動物も⽣活し、特有の都市⽣態系を構成しています。

こうした野⽣動物とヒトとは⽣活空間を共有するため、互いの接触機会が多くなります。野⽣動物と触れ合うことは楽しいことですが、野⽣動物からヒトへ病気が伝染する危険性もあります。都市住⺠である私達⾃⾝の健康を守るためにも、同じ場所で暮らす野⽣動物の健康状態やその⽣息環境の健全性などへの配慮が必要です。それが、ヒト・動物・環境の三者の健康を⼀緒に考えるワンヘルスという考え⽅です。

本プロジェクトでは、都市で我々の⾝近な隣⼈となりつつある都市ダヌキに注⽬し、その⾷性を通じてタヌキ⾃⾝の健康状態や⽣息環境の健全性、さらには、ヒトへ寄⽣⾍病が感染する危険性をモニタリングし、ワンヘルスを実現するのにどのような取り組みができるかを考えていきます。

アプローチ

  • タヌキの糞分析〜タヌキがどれくらいヒト由来の餌資源に依存した⽣活を送っているのかを探ります。
  • タヌキの餌動物の資源調査〜タヌキの餌となる⾃然資源が都市環境下でどれくらい利⽤可能なのかを探ります。
  • タヌキの寄⽣⾍相調査(⾍卵検査)〜タヌキがどんな寄⽣⾍に感染し、ヒトに対して何を感染させる危険性があるのかを探ります。

期待される結果

  1. 都市ダヌキが何をたべているかがわかります。
  2. 都市ダヌキに重要な餌資源の状況がわかります。
  3. 都市ダヌキの寄⽣⾍感染状況とヒトへの感染リスクがわかります。
  4. 都市ダヌキからみた都市でのワンヘルスの実現に役⽴ちます。

現状とこれから

  1. 横浜市こどもの国でタヌキため糞の調査開始
  2. 未分析のタヌキため糞を収集済み
  3. 採集糞の⾷性分析と⾍卵検査を予定
募集について

募集人数:3名程度
求める学生像: 野外調査に積極的に参加して楽しめる学生さんを歓迎します。 ただし、糞分析は地道で根気の要る作業ばかりなので、それに耐える覚悟が必要です。

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