研究プロジェクト2022

子育てにおける母動物の認知能力

茂木一孝(社会神経科学)、久世明香(行動発達)、菊水健史 (社会内分泌)

研究の背景

母のみが子に授乳するという子育て進化を遂げた哺乳類動物では、母子の関係性は子の成長に大きく影響します。マウスを用いた私達の研究では、人為的に一腹の兄弟の半分を通常より早く離乳させると、その子マウスの社会的行動やストレス応答性の発達が通常時期に離乳されたマウスと異なることを明らかにしてきました。しかし母側の観点から、子の数が途中で減少する場合など、育仔中に社会環境の変化があった際、母マウスは子への行動をどのように変化させるのか?といったことは殆どわかっていません。

アプローチ

この研究プロジェクトでは、授乳中に子の一部が通常より早期に離乳された場合、また他の社会環境変化として授乳中に見知らぬ雄マウスが巣に侵入してくるような状況の場合、母マウスの子へ示す行動はどのように変化するのか、その詳細を調べます。次に母性行動の変化があるとしたら、それによって子の発達がどのように変化するのかも明らかにする予定です。

期待される結果

  1. 母動物は育子中の子達をどのように認知しているのか、母動物の認知能力がわかります。
  2. 子育て中の社会環境変化で母性行動が変化する場合、そのことが子の成長にどのような影響を与えているのかをさらに調べることで、母動物の子育て戦略を考察します。
  3. 行動観察・解析技術が身に付きます。

現状とこれから

授乳中に子の一部を早期離乳された母マウスでは、残された子への行動に変化がありそうですが、より多くの例数を観察する必要があります。授乳中に見知らぬ雄マウスを侵入させる実験はこれからスタートさせます。母の行動変化による子の側の変化も調べてゆきます。

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