ライフステージにおける脂質の機能性を追求する(3)

守口徹(食品栄養学)、山本純平(食品栄養学)、原馬明子(機能性脂質学)

研究の背景

私たちの身体は約37兆個の細胞でできています。材料となるのは全て口から体内に入れた食品です。 その中でも,エネルギー産生栄養素(三大栄養素)の一つである「脂質」は,肥満などのメタボリックシンドロームの予防から敬遠されがちです。

しかし,1つ1つの細胞の膜は「脂質」でできています。身体を構成し,組織の機能性を維持させるため,「脂質」はとても重要です。では,いつ,どのような種類の「脂質」を,どれくらい摂取すればよいのでしょうか︖私たちはマウスを用いて,身体に必要な脂質である必須脂肪酸の役割について研究しています。

アプローチ

  • 新生児,乳幼児期に必要な脂質栄養を知るために,世界的にも希少な人工哺育法で授乳し,新生仔を育てます。
  • 成長後は,種々の生活習慣病モデルを利用して,行動への影響や身体の状態を測定します。

期待される結果

  • 胎児期や新生児期に与えられた栄養が,成長後にどのような影響を及ぼすか確認できます。
  • 長期間に摂取した栄養が身体にもたらす影響を検証し,私たちの食生活に役立てます。
  • マウス,ラットの基本的な扱いや測定,解析の技術が習得できます。

ヒトでは検証することが難しい「脳機能」や,調査しにくい新生児,乳幼児期の「成長・発育」,時間のかかる老齢期への影響などを観察し,行動学,生化学的に評価していきます。

研究詳細PDF
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