茂木一孝(動物社会神経科学)、今野晃嗣(動物社会認知科学), 久世明香(動物臨床行動学), 菊水健史(動物社会内分泌), 清水稀惠(特任助手)
母のみが子に授乳するという子育て進化を遂げた哺乳類動物では、母性行動は子の成長に大きく影響します。マウスを用いた私達の研究では、例えば人為的に通常より早く離乳させた子では、成長後に不安傾向が増大します。一方で、育子中に社会環境の大きな変化があった際、子への行動をどのように変化させるのか?といった母動物の子育てサバイバル戦略の詳細はわかっていません。
この研究プロジェクトでは、育子中の母マウスを対象に、育子中のケージに見知らぬオスマウスが侵入してくる危機的状況の場合、母マウスの子へ示す行動や内分泌系はどのように変化するのかを調べます。またこれまでの研究から、母マウスが侵入オスマウスに対し示す行動や母性行動の変化には大きな個体差があることが示されつつあります。母性行動が低下してしまう個体をレスキューできるのか、子育て経験のあるメスマウスを同居させる介入実験も実施する予定です
行動観察・解析などの研究作業には粘り強く継続する根気強さが求められます。挑戦したいという意欲とともに、研究室のルールや時間を守ることができ、責任感がある方を募集します。