両生類を使った環境モニタリング法の開発〜野⽣⽣物にも優しい環境作りを⽬指して〜

関本征史(環境毒性学)、松井久実(獣医生理学)

研究の背景

私たちの⽇常⽣活で⽤いる洗剤、化粧品、医薬品などの⽣活由来関連物質(PPCPs)による河川や湖沼の汚染が報告されています。しかし、これらが⽔に棲む⽣き物にどんな影響を与えているか、明確になっていません。

両⽣類は幼⽣から成体への変態を経て発⽣することから、化学物質の影響を⼤きく受けることが予想されます。そのため、両⽣類を使った環境モニタリング法を開発できれば、PPCPsの影響を評価すること
が可能となります。

アプローチ

本研究室ではアフリカツメガエル細胞に環境化学物質に反応して誘導されるルシフェラーゼ遺伝⼦を組み込んだ環境モニタリング細胞を作成しています。また、アフリカツメガエルの変態(オタマジャクシ→カエル)を指標とした化学物質の毒性評価にも取り組んでいます。

本プロジェクトでは、サンプリングした環境⽔や、PPCPsを混合して⼈⼯的に作成した模擬環境⽔を使って、本研究室で開発している毒性評価法が環境モニタリングに適⽤可能かどうかを調べます。

期待される結果

これまでに明らかにできなかった、PPCPsが野⽣⽣物(⽔⽣棲物)におよぼす悪影響を評価することができます。また、汚染物質の除去評価への活⽤も期待できます。

PPCPsの悪影響を科学的に評価し、また、環境⽔の汚染を⾒える化することで、より環境に優しい製品の利⽤を促進する取り組みに繋げたいと考えています。

現状とこれから

現時点では、作⽤が既知の化学物質について、細胞を⽤いた評価を⾏っています。

⽣物個体を使った実験、あるいは実際に環境⽔を⽤いた曝露評価を⾏うには様々な問題があります。
興味がある学⽣さん、ぜひ挑戦して下さい︕

研究詳細PDF
一覧に戻る