上家潤一(アミロイド科学)、相原尚之(動物病理学)
研究の背景
アミロイドはタンパク質がつくる線維です。体内にアミロイドがたまった疾患がアミロイド症です。今のところ、なぜ体内にアミロイドができてしまうのかはっきりしたメカニズムはわかっていません。
私達はこれまでに、アミロイド症の動物に変異型タンパク質がたまっていることを見つけています。変異型アミロイドタンパク質がアミロイド症の原因なのでしょうか?このプロジェクトでは、変異型アミロイドがアミロイドを作ることを証明します。
アプローチ
研究対象はヒト、犬、猫、牛、豚の変異型アミロイドロイドを作ります。変異型タンパク質がアミロイド線維化する条件を検討し、電子顕微鏡や特殊染色で線維を確認します。
期待される結果
- アミロイドができるメカニズムがわかります!
- 変異型タンパク質を有する動物がアミロイド症になりやすいことを証明。
→変異型アミロイドタンパク質がアミロイド症のバイオマーカーになります。 - タンパク質を作る技術、解析する技術が身につきます。いろんな分野で役立ちます!
- アミロイド症の病理に詳しくなります。
現状とこれから
これまで解析したヒト50例、犬8例、猫59例、牛33例、豚10例の全症例から変異型アミロイドタンパク質を検出しています。このことから、変異タンパク質が病気の発生に関わっていることが強く示唆されます。
変異型アミロイドタンパク質のアミロイド化する性質を明らかにすることで、アミロイド症の発生メカニズムの一端が解明されます。本プロジェクトの次の展開として、変異型アミロイドタンパク質が発生してしまう仕組みの解明を考えています。
募集について
募集人数:1-3名
求める学生像: 病気のメカニズムに興味がある学生。学科は問いません。